清涼飲料水のCMに出ていたゲルニカ戸川純上野耕路




[プロフィール]


8 1/2(はっかにぶんのいち)での活動の後、ハルメンズに参加していた上野耕路が、当時はまだ無名の少女だった戸川純と組んだユニット。1985年に細野春臣が主宰するYENレコードより「改造への躍動」を発表。上野耕路の持つ正確な音楽的理論と作曲性に裏打ちされた完成度の極めて高かったその音楽は、昭和歌謡やドイツプロレタリアアートなどのコンセプトの特異さも注目も浴びた。
またボーカルの戸川純のキャラクターもユニットの存在感を高めた。戸川純は女性アンダーグラウンドではほぼ最大の存在感を得ることとなり一般芸能、女優としての活躍の場も手にする一方で「アンダーグラウンドのお姫様」としても君臨することになる。ゲルニカの活動はさほど長くはなかったが、彼らの残したインパクトはとても強かった。



改造への躍動 1984年 YEN
当時のレコードは大体2500円〜3000円くらいのものであったが、YMOの細野春臣はYENレーベルで、このアルバムを2000円という価格で発表した。録音は上野耕路の自主的な録音でほとんど終わっていたと思われ、レコーディング代金なども安くあがったのかもしれないが、それでも、ゲルニカのファーストアルバムのヒットにも貢献したと思われる。


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上野耕二はその後、同じ8 1/2のメンバーだった久保田真吾と「捏造と贋作」というユニットを結成したり、また、テレビのCMソングを作ったり、音楽学校で教授を務めたりと大活躍の様子だ。(上野耕路の作曲である、2005年のキューピーのパスタ用ドレッシングCMソングの「た〜ら〜こ〜、た〜ら〜こ〜♪」は、アルバム「改造への躍動」の時に受けたインパクトと変わらないほどの音程の迫力がある)

戸川純は音楽的にはヤプーズというユニットを持ち、また、芸能的には明確なメジャー路線に乗っていたが、度重なるスキャンダルや最愛の実妹戸川京子の悲劇などにより、現在は表舞台からは引いた位置にいる。しかし、音楽活動は現役で行っている。元祖不思議ちゃんであり、元祖アングラ女王であった彼女にはこれからも頑張ってほしいと思う。

好き嫌いは別にしても、ゲルニカに関しては、類似する音楽性のバンドが見当たらないわけで、日本の音楽史上でも重要なものだと考えられる。


ゲルニカ 銀輪は唄う/1986年
このページの一番上の写真の「スイートキッス」のテレビCMにもこの曲が使われた。