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▲1998 年にアメリカの「 Viva Variety」(ビバ・バラエティ)に出演した際の少年ナイフ(この番組にはCibo Mattoなども出ていたはずだ)。
もともとは1981年に学生時代の同級生のOL3人により結成された「女の子バンド」であった。活動拠点は大阪で、かげろうレコードなどの自主制作オムニバスによく参加していた。
彼女たちが突如、日本のロックシーンの中で注目を浴びるのは、彼女たちがアメリカで人気が出始めた頃である。1986年にアメリカで「CAPRETTY LITTLE BAKA GUY」をリリースした後に、彼女たちのアメリカでの人気は次第に高まっていく。とどめを刺したのは、NIRVANAの故カート・コバーンが彼女たちの大ファンで、少年ナイフはNIRVANAと全米ツアーを慣行したという事実である。
アメリカのバンドでさえ難しいNIRVANAのサポートとして彼女たちの存在はアメリカに置いて急速に拡大していった。日本ツアーというならともかく、全米ツアーでNIRVANAに同行する日本人のバンドが現れるなどということはまさに「仰天」する事件だった。しかも、それは「同級生同士で作ったOLバンド」だったのである。それに加えて、SONIC YOUTHなどの大御所バンドまでもが彼女たちのトリビュート・アルバムを制作するなど、何だかもう大変なことになっていったのである。
もしかしたら、その変化に一番驚いたのは彼女たち本人ではなかっただろうか。少年ナイフは日本においては、インディーズシーンの中でさえも、ダントツ人気とは言い難かった部分はあるからである。
日本での知名度は、そのアメリカ人気からの逆輸入という形だったと思える。
私自身はまだアメリカに行く前の彼女たちの曲が大好きだった。
少年ナイフのひねりのない単純なロックンロールは、日常聴く音楽として比類のない心地よさだ。要するに、そのストレートさと心地よさがアメリカ人には新鮮 な驚きとなって映ったのだろう。アメリカ人も、そして世界の誰もが忘れてしまっていた「ロックンロール」という楽しい音楽を少年ナイフはのしをつけてアメリカに返したのである。カート・コバーンに、そして、ソニック・ユースにさえも、彼女たちはロックンロールの楽しさを再認識させてしまったのである。
それが彼女たちに意図されたものではなかったにせよ。
今のところは、少年ナイフほど海外で興行的に成功した日本のロックバンドは見当たらない。
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