作レーベル、フロアレコードからアルバムデビューした女性4人(当時)によるユニット。何とも不思議なアバンギャルドポップの魅力は、さすが突然段ボールファミリー、と感心したものだった。

ファーストアルバムは1982年の「サボテン」だが、一般ロックファンがサボテンのことを認知するに至ったのは、1984年にバルコニーレコードから発売されたオムニバス「くっついて安心」ではなかっただろうか。これは当時の自主制作シーンの女性を中心としたバンド(少年ナイフ、サボテン、D-Day、コクシネル)の曲が収められており、きわめて良質なロック、ポップの集合体のアルバムで、インディーズシーンにおいての女性が生み出す価値観の重大性に気づかされたものだった。

少年ナイフやサボテンの曲を聴いていると、「音楽は楽しくて気持ちよくなくっちゃ」というような、ポジティブな音楽への姿勢がヒシヒシと伝わってきたものである。私の当時の一番登場頻度の高いBGMが「くっついて安心」であり、サボテンの「箱庭」だった。押しつけがましくはない、良い意味でスポンジのようなロックだった。

サボテンのアルバムのリリースはきわめてマイペースだったようで、ほぼ10年に一枚というペースで出し続けていたようだ。現在、3枚目のアルバムが出ていて、活動20年を越えようとしている。音楽でも何でもデビューすることはさほど難しくはなくとも、続けることは意外と大変なのだ。

2006年、メンバーも、サボテンという名前はともかくとしても、メンバーは現役で活躍しているようだ。
2002年には10年ぶりとなる3rdアルバム「つづく夢」を発表していている。
ライブもぼちぼちとやっているようなので、20年ほど時間は経ってしまったが、改めて良い感じで年齢を重ねている(ようにお見受けする)サボテンの淑女たちのライブを堪能したいなと思ったりするのである。